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伊賀の五度焼 "水差し"
これは、五度焼きの水差しです。
五度焼きというのは、焼く度に作品の向きを窯の正面に向けて
一回... 二回... と変えて、更に置き方(配置)を変えて焼き方に変化をつけます。
伊賀の特徴とも言える灰を被って出来たビードロ質のものが、私の出したい
部分なんですが、これが中々思った所に出難い。
そして陶器の下部にある黒っぽい部分は”焦げ”といって、
「赤松の燃えかす」といいますか燃焼をして炭化したものが、陶器に付着して
“焦げ”が形成されています。
この水差しは五度焼きの中でも気に入っている作品の一つですね。
裏を見て頂くとわかりますが、特殊な粘土を使用して浮かせた状態で焼いています。
高温(1,300~1,350度) で焼かれると木の灰が流れて、大地に張り付いた状態に
なるんです。
そこから剥がして、ダイヤモンドヤスリで底面を整えています。
このような質実剛健、伊賀を象徴する焼き物は中々とれないですね。
この作品を作るときに一緒に水差しを20点ほど作りましたが、満足出来るものは、
4、5点しかありませんでした。
その中でもこの水差しが、気に入っているので、今回ギャラリーに掲載いたしました。
片山 雅昭
解 説
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